水本有香ゼミ
災害資料を活かした情報発信
大規模な自然災害が発生した際、被災地の中と外において災害の被害からの救援、復旧、復興に関する記録や資料が作られたり、情報発信などが行われます。
兵庫県では約30年前の1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災に関する資料(震災資料、災害資料と呼ばれる)がたくさん生まれました。その数は数十万点に上ります。地震の発生した時刻である午前5時46分で止まった時計、火災で燃えた硬貨、曲がった側溝、ボランティア支援の炊き出しで使われた大きな鍋などのモノ資料、被災状況や復旧、復興に関して撮影された写真や動画、学校で作られた震災の作文集や手記、阪神・淡路大震災に関する雑誌や書籍、被害状況や復旧、復興に関して作成された書類など、様々なものがあります。
ゼミでは、阪神・淡路大震災の災害資料をたくさん所蔵する阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター資料室(神戸市中央区)から資料を借り、本学の図書館入口にあるギャラリーで展示しました。
神戸の港や街並みを描き続けた宇佐美重さんは、阪神・淡路大震災が発生した後、大きな被害を受けた神戸の街にショックを受けましたが、震災後も崩れ落ちた神戸港の突堤やメリケン波止場などを描きました。宇佐美さんのイラストとイラストが描かれた場所を撮影した写真とともに展示しました。
ほかにも、1999年にトルコ西部に地震が襲いました。トルコ北西部地震の際に、兵庫県から仮設住宅を送り、現地に仮設住宅の村(日本仮設村)ができました。その村に仮設村初等学校が設けられており、2002年8月にイスタンブール日本総領事館が児童に画材を寄贈したところ、その画材で描いた絵が、これまでの日本からの支援に対するお礼として贈られてきました。子どもたちの絵画から日本とトルコとの交流と災害への備えを考えていただけるように展示しました。